ー賃貸物件の壁紙の張り替えは何年ごと？張り替え費用の相場も解説ー

賃貸物件の壁紙は、入居者の生活スタイルや経過年数によって劣化や汚れが蓄積していきます。

 

そのため、壁紙の張り替え時期や費用負担が心配な方も多いでしょう。

 

一般的に、賃貸物件の壁紙の耐用年数は6年とされていますが、張り替えの必要性や費用負担は状況によって異なります。

 

この記事では、賃貸物件の壁紙張り替えの時期や費用負担について、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を参考に解説していきます。

 

賃貸物件で壁紙の張り替えを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 

賃貸の壁紙張り替え時期は何年ごと？

賃貸物件の壁紙張り替えについて多くの方が気になるのは、いつ頃張り替えが必要になるのかという点ではないでしょうか。

 

壁紙の劣化や汚れは入居者の生活スタイルによっても異なりますが、賃貸物件の壁紙の耐用年数は通常6年です。

 

入居から6年以上が経過した場合、壁紙の張り替え費用は原則としてオーナー側の負担となります。

 

ただし、入居者の故意や過失による損傷、通常の使用による損耗を超えた部分については、入居者の負担となる場合があります。

 

壁紙の状態によっては、6年以内でも張り替えが必要になることもあるでしょう。

 

入居年数によって費用負担が変わってくるので、入居後何年経ってるか確認してみましょう。

 

引用：国土交通省「原状回復をめぐるトラブルのガイドライン」

 

6年経過した壁紙の張り替え費用は原則オーナー負担

6年以上居住した後の退去時に壁紙の張り替えが必要な場合、その費用はオーナー側が負担するのが原則です。

 

ただしこの原則が適用されるのは、あくまでも経年劣化による損耗が原因の場合です。

 

仮に6年に満たない期間で退去する場合でも、損耗の程度に応じて入居者とオーナーで費用を分担することになります。

 

例えば4年で退去する際には、入居者は耐用年数の2/3に相当する費用を負担し、残りはオーナー負担となります。

 

入居者の故意や過失による損傷は入居者負担

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、入居期間中の経年劣化による損耗について、入居者に原状回復の義務はないと定められています。

 

これは壁紙の費用負担にも当てはまります。

 

経年劣化の例は以下の通りです。

 

• 家具の設置箇所やポスターを貼っていた場所の日焼け跡
• 家電製品との接触による壁の電気焼け
• 画鋲やピンで刺した小さな穴

 

これらの修繕費用は家賃に含まれていると考えられているため、退去時に経年劣化を理由に修繕が必要になっても、オーナーが費用を負担します。

 

一方で、通常の生活で生じる損耗の範囲を超えた激しい劣化や、入居者の注意不足が原因と判断される損耗については入居者負担です。

 

具体的には、喫煙によるヤニ汚れやニオイは部屋全体に及ぶことが多く、壁紙の全面張り替えが必要になるため、敷金を超える高額な費用になる可能性があります。

 

善管注意義務違反も入居者負担

入居者には「善管注意義務」があり、常識的な範囲の掃除を行うことが求められています。

 

油汚れの放置や、結露・水漏れによるシミやカビの発生は、善管注意義務違反に当たり、原状回復費用は入居者負担です。

 

ペットによる引っかき傷やニオイも、入居者負担の対象です。

 

ペット可物件では、ある程度の損耗は家賃に含まれていますが、ペット禁止物件で飼育していた場合は、ニオイ除去のための全面張り替え費用を請求されることがあります。

 

賃貸の壁紙張り替え費用の相場

賃貸物件の壁紙を張り替える際に気になるのは、費用の相場ではないでしょうか。

 

ここでは、壁紙張り替え費用の目安について解説します。

 

壁紙の張り替え費用は、張り替える場所や面積によって異なります。

 

キッチン、トイレ、洗面所、廊下などの場所ごとの相場は、3万円〜8万円程度です。

 

一方、部屋の広さに応じた費用相場は、以下の通りです。

 

• 6畳：4万円～5万円
• 8畳～10畳：5万円～7万円
• 12畳～15畳：7万円～9万円
• 20畳：9万円以上

 

壁紙の張り替え費用は、使用する壁紙の量と人件費が主な要因です。

 

面積が広くなるほど材料費は増えますが、一度に大きな面積を張り替える方が、㎡あたりの単価は下がる傾向にあります。

 

壁紙の一部だけ張り替えることは可能？

壁紙の一部だけを張り替えることは可能です。

 

全面張り替えと比べて費用を抑えられるメリットがあり、張り替える面積が小さいため、工事の時間も短縮できます。

 

しかし、一部張り替えを検討する際は、壁紙全体の状態や物件の条件を考慮して判断する必要があります。

 

例えば、壁紙全体の劣化が進んでいる場合や、将来的に全面張り替えを予定している場合は、一部だけの張り替えは避けた方が良いでしょう。

 

また、賃貸物件の場合はオーナーや管理会社の方針に従う必要があります。

 

さらに、新しい壁紙と古い壁紙の色や質感の違いが目立ってしまう可能性があります。

 

特に、日光や経年劣化による変色が進んでいる場合、張り替えた部分とそれ以外の部分とのコントラストが際立ち、違和感が生じるでしょう。

 

壁紙の一部張り替えは、メリットとデメリットを十分に理解した上で、状況に応じて判断しましょう。

 

まとめ

賃貸物件の壁紙張り替えについて、耐用年数は一般的に6年とされています。

 

6年以上居住した後の退去時に壁紙の張り替えが必要な場合、その費用は原則オーナー側の負担です。

 

ただし、入居者の故意や過失による損傷、善管注意義務違反による汚れや破損は、入居者の負担となります。

 

壁紙張り替え費用の相場は、6畳で約4～5万円程度ですが、張り替える場所や面積によって異なります。

 

日頃から物件を大切に使い、故意や過失による損傷を避けることで、退去時の負担を最小限に抑えることができるでしょう。